進化するプーアル茶

雲南 プーアル茶

もうすぐ中秋節。中国では日本のお中元のように贈りものをする習慣があり、店頭にはたくさんの月餅が並んでいます。雲南省では高級プーアル茶をプレゼントすることもあるそうです。プーアルという名前は雲南省西南部に位置する“普洱(pu-er)”という地名が由来です。

プーアル茶産地このあたりには、“古茶樹”といわれる樹齢1000年以上のプーアル茶の木があり、その味は格別。まさに「回甘」(飲んだあとに甘味が残る味)です。その希少価値から値段の高騰が続いています。
プーアル茶には生茶と熟茶の2種類があります。その違いは、製造方法にあります。
生茶は茶葉を蒸したあとゆっくりと自家発酵させます。日本の緑茶のようなさわやかな味わいで、熟茶に比べて飲みやすいです。日本で出回っているのはほとんどが熟茶で、その理由のひとつは、生茶は熟茶に比べて保存が難しいということ。保存状態によってその味が良くも悪くも変わりやすいので、あまり見かけないのです。
熟茶は菌を使って茶葉を発酵させるため、どうしてもカビ臭さが残ります。だから「プーアル茶=飲みにくい」という印象があるのです。それでも、「ダイエットのため!」と飲んでいる人は多いのではないでしょうか。
どちらも脂肪燃焼や油を体から排出してくれる作用があるので、脂っこい食事の多い方やダイエット中の女性にはオススメです。

プーアル茶 プーアル茶

数年前からバラや菊などの花を配合したプーアル茶は出回っていましたが、最近では、ミントプーアル茶やレモンプーアル茶、紅茶と組み合わせたアールグレイプーアル茶なども販売されています。ちなみに私は今、ミントプーアル茶にはまっています。飲んだあとすーっとミントの香りが残り、蒸し暑い夏にはぴったりの味です。(昆明の夏に“蒸し暑い”なんて言葉は存在しませんが…^_^) また、お湯に溶かすだけで本場のプーアル茶が飲めるよう、粉末に濃縮する開発も進んでいます。プーアル茶の悩みといえば、美味しく飲むにはお茶を煎れる技術が必要ということ。湯呑を温めたり、お湯の温度に注意しなければならなかったり、飲むためのこだわりは言い尽くせないほどです。 進化を遂げるプーアル茶。日本でも“飲みにくい”と敬遠される時代も終わり、“おいしくダイエットできる”お茶へと進化する日もそう遠くなさそうです。